和田正義プロ

和田正義プロ

ゴルフで飛ばすための3原則は、いまや常識といってもいいですよね(ボール初速・高弾道・低スピン)。

ボール初速は、当然のことながらヘッドスピードに依存します。
ドライバー(クラブフェース)には反発規制があるので、マックスで、ヘッドスピードの1.5倍までにしかなりません。
(シャフトとの相性や、クラブヘッドをたわましたり、打点をトゥの上あたりで打ったり、、、片山晋呉レベルになるとじゃっかん1.5倍を超えたりもするらしいですが)

ヘッドスピードが40(m/s)の人の場合、最大でボール初速が60(m/s)になる計算となります(時速に換算すると216キロってすごいですよね)。
また経験的な概算値ですが、ボール初速を4倍した数字(ここでは 60 × 4 = 240ヤード)が、マックスの飛距離になるそうです。

一般的なアマチュア(男性)の場合、ヘッドスピードは43(m/s)ぐらいは出ると思いますが、
・インパクト効率が 1.3倍 (約86%)ぐらいにしかならないので、ボール初速が 43 × 1.3 = 56(m/s) 、
・飛距離は最大で、56 × 4 = 224ヤード ぐらいといったところでしょうか。

ドライバーの飛距離の話になると、「平均 230〜240ヤードぐらい飛ぶ」みたいな雰囲気を醸し出す人が多いですけどw、実際、アコーディアの黄色い旗(230ヤード)を越える人って、あまり見ませんよね(笑)。
(アコーディアの旗というのは、ティーグランドから約230ヤードの地点にさしてある旗のことで、前の組がそこを越えたらティーショットを打ってよいという目安になっております。逆にいうと230ヤード越える人はあまりいないという状況証拠でございますw アコーディアというのは、ゴルフ場を134コースも運営する企業のことです)

ヘッドスピードが43というのは女子プロぐらいの値ですから、250ヤードぐらい飛んでもおかしくありません(43 × 1.5 × 4 = 258 )。
なぜ、アマチュアのドライバーショットが飛ばないかといったら、最大の理由はボールのスピン量が多いからだと思います。

ヘッドスピードの測り方も、ゴルフ量販店だと甘めに表示されているという噂もあるので、実際には40ぐらいしかいっていないのかもしれません。
また、よくありがちなヘッドスピードの測定器は、ボールの前方(爪先方向)に設置してあります(最近は飛球線後方におく場合が増えてきましたが)。
アマチュアのスイングは、アウトサイドインで、かつ、インパクトの手前で最速値がでてしまうような振り方が多いので、爪先方向に測定器がおいてあると、数字が上がってしまうのではないかと推察しております。

アウトサイドインのカット軌道で振ると、当然のことながらバックスピン量が増加してしまいます。スピン量が増えると、なにが問題かといったら、ボールに浮力(揚力)がつきすぎでしまうことです。

ボールが飛んでいる間に受ける物理的な力は、以下の通りです。
・飛球線前方方向への慣性力(ドライバーショットのエネルギーがボールに変換されます。もちろんエネルギーは、音や熱に一部消えます)
・逆方向への空気抵抗(抗力)、
・上方向への浮力(揚力)
・下方向への重力(引力)

打ち出されたボールが地面に落ちてくる理由は、言うまでもなく、重力(地球)に引っ張られるからです。
もし、重力と等しい力で、鉛直方向上向きに(重力と真逆の方向に)、ボールに力を及ぼすことができたら、空気抵抗を無視すれば無限に飛び続けます。無重力の宇宙空間と同じ状態だからです。いわゆる棒球、ゴルフマンガ「風の大地」でいうところの「棒の球」状態でございますw

もちろん実際には空気抵抗があるので、
・飛球線前方方向へのボールスピードが落ちてくるし、
・スピン量もだんだん落ちてきて浮力を失うので、地面に着地することになります。

すなわち、なぜスピン量が飛距離に関係するかといったら、
・ボールに対して、重力と等しい浮力を与えれば地面に落ちにくくなるからで、
・浮力を与えるためには、バックスピンが必要になるからであります。
(アマチュアは、必要な浮力以上のスピン量になる方が多いです)

浮力は、速度の2乗に比例するため、男子プロとかの打球の場合はボールのスピードが速くて浮力がつきすぎてしまうため、少ないスピン量(1800回転とか)にする必要があります。

一般のアマチュアレベルだと、2500回転ぐらいでも良いかと思いますが、
・普通の人のスピン量は4000回転とかですから、
・重力よりも強く浮力が発生してしまい、ボール吹き上がってしまいます。
・そのため、滞空時間が長くなって空気抵抗の影響が増えるし、
・ボールが着地する角度が鋭角になってしまい(上からどすんと落ちてくるようなイメージ)、着地後にランがでにくくなってしまいます。

滞空時間とランディング(ボール着地)の角度に関連しているんですけど、飛距離の3原則(初速、高弾道、低スピン)のうちの高弾道につきましては、ちょっと理解できていないんですよね。
普通に考えると、飛距離が最大になる打ち出し角は45度ですが、ゴルフは20度弱ぐらいが一般的です。

理由としては、おそらく、
・地面に近いボールを45度で打ち上げるのは難しい、
・ロフトで打ち出し角をつけようとすると、インパクト時に、ヘッドが動く方向とボールの打ち出し角が大きなって(摩擦が大きくて)、スピン量が増加してしまう、
・滞空時間が長いと空気抵抗が大きくなる??
・打ち出し角が大きいと、着地の角度も大きくなってランが出にくくなるといったところでしょうか?

技術的(物理的)な制約と、ランが少なくなることを考慮して、経験的に20度弱ぐらいが、最も飛距離を稼げるということになっているのだと思います。
ドラコンの選手などは、おそらく、ヘッド軌道と打ち出し角を合わせながら、打ち出し角と直角に近いフェース角で、アッパー軌道にインパクトしているのではないでしょうか?(一般のドライバーショットより高弾道で打っているような気がします)

ただ逆に、最近よく「高弾道」と聞くようになったのはなぜか?という疑問がわいてきます。

おそらくなんですけど、昔のパーシモンヘッドのドライバーと違って、最近のドライバーは、
・高弾道にも打ちやすくなってきた、
・高弾道に打ったとしても、スピン量があまり上がらない設計になってきているのではないか?という仮説でございます。

というのも、昔のドライバーと違って、今のドライバーは低重心で深重心ですから、
・重心より高い位置でボールを打てば、打ち出し角が上がりやすいし(下からつきあげるようになるから)、
・深重心だと、ヘッドのおしりが下がるので、逆にロフトが増えてボールが上がりやすくなります、
・また、低重心だと、ギア効果が発揮されやすくて、スピン量も抑えられるのではないか?と思うんですけど、いかがでしょうか??

あとは、ボール自体が低スピンになってきているのもあるのかと思います。

昔のパーシモンの頃は、フェースのトゥよりの上の方でインパクトして、ギア効果をきかせながらフックで飛ばしていたと聞いたことがあります。
ボールも糸巻きでしたし、吹き上がりやすいですから、低弾道かつフックでスピン量も減らして、ランで飛距離を稼ぐという方法が有効だったのではないかなーと。

ゴルフ市場の最大のターゲットである団塊の世代の皆さんは、パーシモンの時代にゴルフを覚えていますから、メーカーとしては、
・今のドライバーは、昔のと違ってフックをかける必要はなくて、
・普通に振れば大球(おおだま、高弾道)が出るように作ってあるので、
・ランではなくて、キャリーで飛距離を稼ぎましょうと言いたいのかなと。
だからあえて分かりやすく「高弾道」と言っているような気がしておりますー。

まあドライバーの飛距離を伸ばそうと思ったら、技術的には、スピン量を減らすことが最大のポイントとなりますので(ヘッドスピードはそう簡単にはあがらないので)、8割程度のチカラ加減で、43(m/s)ぐらのヘッドスピードを出しつつ、優雅に250ヤードとか飛ぶようになったらいいですよねー!!!