イ・ボミ選手

イ・ボミ選手

シャローに関する誤解

ゴルフのコーチがよく言う用語に、シャロー(シャロースイング)という単語があります。
英語だと「Shallow(浅い)」と書いて(たぶんw)、「ダウンスイング(インパクト直前)のヘッド軌道がゆるやかな角度」のことをいいます。
(同じ単語を使う「シャローヘッド(シャローフェース)」というのは、クラブの形が平べったい作りのことです。ヘッドの重心が低くなるので、ボールが上がりやすくなります)。

シャロー(スイング)の反対の用語はスティープ(Steep)といって、「急勾配」という意味から、ヘッド軌道が急角度(地面につきささるイメージで、上から下への急角度)であることを表します。

アマチュアの90%ぐらいの人がアウトサイドインなので(おそらく)、ダウンスイングでは、ヘッドが上から急角度で下りてきます。
コーチとしては、「ヘッドを、急(スティープ)な軌道ではなくて、もっとゆるやか(シャロー)な角度で下ろしましょう(アウトサイドインを治しましょう)」と言いたくて、シャローなスイングが良いと言っているのだと思います。

ドローヒッターのイボミ選手のヘッドはインサイドアウト軌道です

ドローヒッターのイボミ選手のヘッドはインサイドアウト軌道です

10年前とかのゴルフの本をチラ見すると、以下の様なことが書いてあったりします。
・シャローな軌道を実現するためには、ダウンスイングで、右足前の方向にコックをいったん完全にリリースします。
・右前足に落ちたヘッドを、体を回転させることで(ボディターンで)、一気にインパクトまで持ちこみます。
・これが、シャローでアッパーブローなヘッド軌道の本質であります、とか書いてあります(笑)。

最近は、プロのスイングを動画でいくらでも見られるし、さすがに間違いだと気がづいたのか、右足の前で完全にリリースしましょうとかいう話は聞かなくなりました。
シャローとかスティープとか、なんとなくかっちょいい響きがするしw、舶来帰りの箔付け気分で、本質的な意味もよく分からず使っていたんでしょうね〜 (^_^;)

シャフトが飛球線と平行になっている時にシャフトが地面と平行になっておりません

シャフトが飛球線と平行になっている時にシャフトが地面と平行になっておりません

シャローに関するもう1つの誤解

右前足でリリースするという話は、アウトサイドインでは使えなくても、自称上級者さん用のアドバイスとしては有用かもしれません。
というのも、アマチュアの10%弱ぐらいの割合で、ものすごくインサイドアウトにスイングする方がいらっしゃいます。
昔パーシモンヘッドでフックで飛ばしていたような方かと思います。

ダウンスイングで背中の方にヘッドを落として、インからアウト方向にあおるように振るスイングは、ヘッドが地球の引力の影響を受けやすいスイングです。
(トップからダウンの初期にかけて、直線的にヘッドが地面に落下していくからです。それを防ぐためには、ダウンスイングでローテーションすることでヘッドに上向きのベクトルを生じさせる必要があります)。

スティープな軌道

シャローからスティープな軌道へ変わっている

インサイドアウトのスイングはダフりやすいので、(ダフりを防ぐために)ヘッドが地面に落下する前に、「体の右サイド(右手や右足等)」で押す動作が有効となります。逆にいうと、右サイドでヘッドを急いでリリースしないと(押し出さないと)、ヘッドがインパクトに間に合わずにダフってしまいます。

この振り方だと、シャローではなくて、スティープの方向に(角度をつける方向に(地上から上方に))、ヘッドを動かしていますよね。
つまり、なんでもかんでもシャローのスイングが良いというわけではなくて、スイング軌道によっては、スティープにした方が良いという場合もあるということです。

一時期、なんとかの1つ覚えでシャローという単語をよく聞きましたけれど、最近あまり聞かなくなったのは、「単純にシャローにすれば良いという訳ではない」ことが、アメリカ帰りのカリスマの皆さんも、ようやく分かってきたからでしょうか?(笑)

ただ、根本的な解決をはかろうと思ったら、当然のことながら、極端なインサイドアウトの軌道は修正する必要があるかと思います。

コーチが、「スティープは問題である。原因はスイングプレーンがアウトサイドインだから」とおっしゃるので、単純に「インサイドイン振れば解決するのではないか?」と思うのですが、なぜかコーチさんは、「リリースのタイミングを早めて軌道を下げろ」とか言うんです。
この言い方だと「スイングプレーンはリリースのタイミング次第で決まる」ということになりますけど、普通に考えておかしいですよね。右足前でリリースしているツアープロなんていないんですからw
極端なインサイドアウトの軌道の人は、早めにリリース(右手のリストターン)することで、シャローからスティープに軌道を変えているのだから、一概に早めのリリースが、「スティープからシャローになる方法」とは言えないわけです。

ヘッドと持ち上げてインパクトしないとダフってしまいます

ヘッドと持ち上げてインパクトしないとダフってしまいます

結論
・アウトサイドインの人は、シャローのスイングを目指した方が良いです。
(スティープのままだと、カット軌道でインパクトしてしまうため、ボールのスピン量が増えて飛距離が落ちてしまうからです)
・インサイドアウトの人は、スティープに(ヘッドの角度を上げて)振らないとダフってしまいます。
・すなわち、ダウンスイングのヘッド軌道は、「シャローが唯一の正解ではない」ということであります。

いずれにせよ、目指すべきヘッド軌道は、シャローとかスティープとか、コーチの思いつきwで決まるのではなくて、ましては、リリースのタイミングで決まるわけでもありません。重心線にそった直線軌道が基準になるということです(飛球線後方からみて)。
なぜなら、そのように振れば、クラブの重心移動がスムーズに行なわれてヘッド軌道が安定するからです。

シャローとスティープの誤解は解けて、ヘッド軌道はインパクト時のライ角を基準にした重心線で決まるのではないか?という仮説が構築できたかと思います。
ただ、仮にそれが正しいとしても、「どうやったら重心線とやらに沿ったスイングできるんだボケ?」という課題が見つかりましたね(笑)。

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イ・ボミ選手

イ・ボミ選手

ドローヒッターのイボミ選手のヘッドはインサイドアウト軌道です

ドローヒッターのイボミ選手のヘッドはインサイドアウト軌道です

シャフトが飛球線と平行になっている時にシャフトが地面と平行になっておりません

シャフトが飛球線と平行になっている時にシャフトが地面と平行になっておりません

スティープな軌道

シャローからスティープな軌道へ変わっている

ヘッドと持ち上げてインパクトしないとダフってしまいます

ヘッドと持ち上げてインパクトしないとダフってしまいます

ドライバーは、厳密にいうとライ角という概念ががありません(ティーに置いた球を打つのと、プロの打撃を見るとクラブがもつライ角よりもフラットなインパクトをしているので)、インパクト時のライ角を基準に、テイクバックからダウンスイング、フォローにかけて、重心が(飛球線後方から見て)直線的に動くのが理想的な軌道となります。