ローリー・マキロイ選手

ローリー・マキロイ選手

ゴルフ業界でよく、「ゴルフなんて、手を上げて下ろすだけ」という話を聞きます。
また、「ゴルフスイングには、手の上げ下げなど全く必要がない」という、真逆といいますか、アジェンダセッティングwからして、いまいち論点が噛み合っていない意見もあります。

どちらが正解なのでしょうか??
ティーチングプロという専門職まであるゴルフ業界において、(これに限らず)なぜめちゃくちゃな話(真逆な意見等)が放置されたままになっているのか、本当に勘弁してほしいところであります。

文句ばかり言っていてもしょうがないのでw、ネット等を漁って、論点を整理してみました。
結論としては、以下のように考えております(単なる私の仮説でございます)。

・テークバックで、手を能動的に上げる必要はないけれど、
・結果として、受動的に手は上がっている。
・ダウンスイングは、無意識に手を下ろせればよいが、
・最初は、手を意識的に下ろす練習をしないと、手が無意識に下りてくるようにはならない。

用語の定義

そもそも「手」とか、「上げる(下げる)/上がる(下がる)」とかいう単語が、何を指しているのか不明確なのが、混乱の元になっている気がしております。
「手の上げ下げ」に関する話をまとめると、各用語は、以下のように定義できそうです。

・手:主に肘から先の部分。肘が曲がることで、手が上がったり(上げたり)/下がったり(下げたり)します。
・腕:肩関節から先の、腕全体(上腕および前腕)のことを言っているようです。
・上げる(下げる):自分で意識的に手や腕を上げる(下げる)行為。
・上がる(下がる):他の動きから影響を受けることで、受動的に、手や腕が上がる(下がる)こと。

その他、クラブは手で上げるのではなくて、「体幹の力」や、「腰の回転による慣性でクラブが上がる」等の記述もありましたが、「手ないし腕」が、受動的に「上がる」の一種と考えてよいかと思います。

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プロの状況確認(プロは、手でクラブを上げているのか?)

「クラブを、能動的に手で上げているのか?」、あるいは、「クラブは、受動的に上がるのか?」
意見は分かれますけれども、アドレス時に地面にあったクラブヘッドは、トップオブスイングで頭の方にきているのは、間違いようのない事実です。誰がどう見ても、クラブの高さ(絶対値)は上昇しております。

横峯さくらちゃんや、(特に数年前の)森田理香子のスイングを見る限り、主体的に手で上げているとしか思えないほど、クラブが上昇しております。
しかしながら、最近のアメリカツアーのトップ選手等のスイングを見ると、手は(腕も)、相対的に、肩よりも上にきていない選手が増えてきました。

少なくとも、世界レベルの選手のスイングは、それほど手(腕)が上がっておりません。
「相対的に肩より上」というのは、ゴルフスイングは体が前傾しておりますので、前傾角に対して、肩の高さより上がっていないことを言っております。仮想的に、地面に垂直に立ってスイングしている姿を思い浮かべると、イメージしやすいかと思います。

手(腕)は、肩のラインまで上がります

手(腕)は、肩のラインまで上がります

なぜ手が上がるのか?

テークバックは、左肩(左肩甲骨)を地面の方に下げて、クラブを、グラビティプレーンに沿って上昇させるのが理想的な動きです(仮説です)。
胸と腕で作る三角形をキープしたまま左肩を下げるので、手(腕)は、特段何も意識せずに、受動的に、腰のあたりまで上昇します。

ハーフバック以降は、腕のローテーションが増えていきます。
具体的には、以下のような手(腕)の動きによって、手が、受動的に肩の高さまで上がります。

・両腕を、(ドアノブを開ける方向に)ローテーションすると、
・ローテーションに伴って、右肘が曲がります。
・右肘が曲がる高さに合わせて、左手(グリップ)の高さが、受動的に肩のラインまで上昇します。
・ローテーションに加えて、コックも合わせて入ることで、トップオブスイングが完成します。

無意識に右肘を伸ばせるかどうかがポイントです

無意識に右肘を伸ばせるかどうかがポイントです

手を下げるのは、最初は訓練が必要

ダウンスイングは、テークバックと逆方向にローテーションするだけで、手は、受動的に下がるはずです。
しかしながら、手首の角度(コック)をキープしながら、右肘だけを伸ばす動きというのは、意外と難しいです。
最初は意識して練習しないと、おそらく習得できません。

この動きは、野球のバッティングで、低めの球を打つのと同じような「右肘を伸ばす動き」です。子供の頃に野球をやっていた人にとっては、野球のときは、無意識にできる動きだと思います。
しかし、大人になってからゴルフを始めた人にとっては、一度は意識して練習しないと、なかなかできない動きだと思います。
ドライバーでフルショットしたりすると、右腕の上腕に力が入ってしまい(チカラこぶの部分が緊張して)、肘が曲がる方向に(ダウンで必要な、肘を伸ばす動きとは逆方向に)、筋肉が無意識に反応してしまいがちです。

ゴルフのコーチは、たいてい子供の頃からゴルフをやっているので、おそらく、特段「手を下げる意識」をもっていないと思います。野球少年が、低めの球を無意識に打てるのと同様です。
残念ながら大人は、意識して右肘を伸ばす練習をしないと、できるようになりません。練習場で周りをチラ見している限り、たいていの人の右腕が、「五木ひろし((c)神田アナライズ)」になっている事が、なによりの情況証拠でございます(右肘が曲がったまま、右肩をさげてダウンスイングをしております)。

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結論は以下のとおりです

・手は、ローテーションに伴って、(相対的に)肩の高さまで受動的に上がります。
・ダウンスイングは、逆ローテーションによって、受動的に手が下がるのが理想ですが、
・最初は意識して、右肘を伸ばす練習が必要になるかと思います。

練習方法としては、地面に垂直に立って、いわゆる水平素振りがお勧めです。
・アドレスは、ショットと同じような手と腕の角度にセットして、
・ローテーションで、肩まで手を上げて(受動的に上がって)、
・ダウンで、右肘を伸ばしながら手を下げてみましょー!
(手が無意識に、アドレスの位置まで下がれば完璧です。野球のバッティングや野手のサイドスローなどをイメージすると良いかと思います)。

もちろん、水平素振りと言っても、手(腕)だけで振らないで(最初はそれでも良いですけれど)、ぜひ、下半身リードやハンドファーストなども取り入れて練習してみてください。

結局のところ、「ゴルフは、(能動的に)手を上げて下ろすだけ」というのは間違いで、そもそもボディスイングが大前提となりますが、手や腕は、ほとんど無意識に「(受動的に)上がって下がるだけ」というのが正解なのではないでしょうかー??

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ローリー・マキロイ選手

ローリー・マキロイ選手

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手(腕)は、肩のラインまで上がります

手(腕)は、肩のラインまで上がります

無意識に右肘を伸ばせるかどうかがポイントです

無意識に右肘を伸ばせるかどうかがポイントです

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