10年〜15年ぐらい前の一時期、「ゴルフスイングには、ローテーションは不要なのではないか?」という空気になっていたらしく、当時のレッスンプロが、ベン・ホーガンの理論(左腕の外転こそがスイングのキモという見解)に対抗しようと試みました。
当然すぎる結末ですけれどもw、あんなに威勢がよかった「ローテーション不要派」の勢いは、今となってはすっかり落ちぶれてしまいました。

というか、「そんな話はなかった」かのような顔をして、ゴルフ雑誌に出ていたりするので驚いてしまいます。人間誰しも間違いを犯すのですから、間違ったら間違ったで、きちんと訂正すれば良いと思うんですけれど・・・
まあそれぐらい面の皮が厚くないと、ベン・ホーガンに対抗しようなんて発想にはならないと思います。常識的に考えて(笑)。

 

用語の定義

ローテーションの話をするときに、例によって用語の定義が不明確な点が、混乱の一因になっているのかもしれません。
うっとうしくてたいへん申し訳ないのですが、一応、念のため、用語の説明をさせてください。

スイングにおけるローテーションとは、
・腕(ないし手)を回旋(旋回?)することを言います。
・その動きのことをアームローテーションと言いますが、
・手や腕が回転することで、クラブヘッドのフェースが開閉します。これをフェースローテーションと呼びます。

解剖学的?な正確な用語としては、
・肘から先(前腕)のローテーションを、回内・回外といい(鍵穴に入れた鍵を回す動きです)、
・肩から先の腕全体(上腕)の動きを、内転・外転といいます(右腕で「なんでやねん」とつっこむ動きは外転です)。

なお、ローテーションに似ていて紛らわしいのですが、リストターンという用語もよく使われます。
リストターンについて書かれた文章をチラ見して、前後関係から意味を類推するとw、アームローテーションと同じことを言っているようです。「リストターン」は、日本語で「手を返す」という言い方もなされます。
ただ、「リストターン(手を返す)」という単語を使う場合は、テークバックの話が出てくることはまずなくて、インパクト付近における腕の動きを描写していることが多いです。インパクト時に「右手を左手の上に持ってくる」という言い方がよく出てきます。

あと念のため、、、「手を返す」というと、「スナップ(屈曲・伸展)」と間違える方が、まれにいらっしゃいます。スナップは、手(手首から先)を、手の平側と甲側にそれぞれ曲げる動きのことを言います。

以上より、「ローテーション」「リストターン」「手を返す」は同じことを言っており、「スナップ」は異なる動きとなります。

なお、「手をこねる」という用語もありまして、、、正確な意味は分かりかねます(すみません)。否定的な文脈で使われる事が多いのですが、なんとなく、「ローテーションとスナップを一緒にやっているような動き」かと想像しております。「手をこねたせいで、球を引っ掛けた」といった感じに使います(「引っ掛け」とは、左の方に急に曲がるような球筋のことかと思われます)。

 

ローテーションのメリデメ

ローテーションを行うことによるメリットは、以下のような点があげられますでしょうか?

<メリット>

①手(腕)をローテーションする場合、手元の動きに比べて、ヘッド(クラブ全体)の動きが大きくなります。
例えば、アドレス時に作るグリップの角度をキープしたまま(腕とシャフトが作る角度をキープして)、両腕を左右にローテーションすると、手元の動きに比べてヘッドの動きが大きくなります。そのため、ヘッドスピードが上昇します。

②ゴルフクラブは、重心距離があるから飛距離がでる。
ゴルフクラブは、「シャフト」と「ヘッドの重心」が、同一線上にはありません(重心距離があります)。フェースローテーションを行うと、重心距離があるために、フェースの回転が増加してヘッドスピードが上昇いたします。重心距離がゼロの道具を使う「野球やゲートボール」とはボールが飛ぶ距離が全く違います(ものすごく飛びます)。
(ゴルフと野球とでは、ボールの重さも大きさの違いも当然ありますが)

③ローテーションすると、トップオブスイングでレイドオフが作りやすい。
逆にいうと、ローテーションをしない場合は、腕の関節の構造上、レイドオフのトップを作れないと思うのですが、、、

<デメリット>

①ローテーションすると、フェース面の回転(開閉)量が増えますので、インパクト時に、フェースをスクエアに戻すのが難しくなる(と、一般的に言われております。本当にそうなのかは、検証が必要かと思うのですが・・。少なくとも回転量が多い分、スクエアに戻すまでの物理的な運動量は増加しますので、誤差が大きくなる確率が高くなりそうです)。

②スイングが、インサイドインの正しいヘッド軌道ではない場合、フェースコントロールが困難になる(と思われます)。
ダウンで、ヘッドがアウトから入ってくると、フェースが閉じにくくなります。インから入ると、フェースが必要以上に回ってしまう可能性があるのではないかと思います。
インサイドインの軌道でないと、ヘッドにかかる縦横のチカラ(ベクトル)を制御するのが難しくなるから(だと思います)。

 

ローテーション時のフェース角度

そもそも、ローテーションに係るフェース面の開閉角度について、どのようなケースがあるのかを場合分けしてみます。

フェース面の動きが小さい方から(ローテーションが少ない方から)、大きい方に向かって順に並べると、、以下のように分類できます。

①フェース面の動きがゼロ(こんな状態はありえませんが、説明の都合上載せております)。

・極端にいうと、フェース面が、スイング中に、常に(絶対的に)飛球線方向を向いている(飛球線とフェースが垂直になる)ケース。
さすがにここまで極端なスイングをする人は、見たことも聞いたこともありません。

(ただし、パターのフェース面の動きに関しては、延々と議論が続いております。。フェースを開閉するのか?、いや、フェース面は飛球線に垂直のまま直線的にヘッドを動かすべき。いやいやパターの形によってそれは異なる、等々・・)

②フェースの動きが中程度(シャットフェースと呼ばれる動き?)。

・クラブが、腕とともに体の周りを動いている時に、フェースの角度が、シャフトに対して同じ角度を維持していているケース。
シャフトが動いている間に、「意図的にフェース面を変える動き」を入れないスイングです。

例えば、扉(ドアノブ)にヘッドを取り付けて、ドアとフェース面の動きが同調しているような状況です
コーチが、このスイングの説明をするときには、「フェース面がボールを見続けているように振りましょう」などと言うパターンが、このケースにあたる場合が多いです。

③フェースの動きが大(一般的なローテーションの動き)。

・シャフトが動く角度よりも、フェース面の開閉が大きくなるパターン。
テークバックにおいて、ローテーションに伴い右肘が曲がりますが、シャフトの回転角よりもフェース面の角度が大きく動く(開く)ことを言っております。いわゆる普通のフェースローテーションの動きのことです。

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などなど、、、、ローテーションに関する現状を整理してみたのですが、「で、だからなんなの?」という状況でございますw
誠に申し訳ございません。

といいつつ、次回もまたローテーションの続きを書かせていただきます〜