パターの基本

パー72の半分はパット数がしめる

ゴルフの技術は、ショットとパットに大きく2つに分かれます。
・ショット:ドライバーやアイアンなどを使って、ボールを空中に飛ばす
・パット:パターを使って、グリーン上を転がす

ゴルフ場は、18ホールが基本的な構成となっており、1ホールを平均すると4打で回ることになります(パー4)。

内訳としては、2回のショットでグリーンに乗せて、2回のパットでカップインさせます。合計4打で1ホールが完了します(ホールアウトします)。

ショットを1回で乗せて2回のパット(ツーパット)で合計3打、あるいは、ショット3回と2回のパット(ツーパット)で合計5打のホール等もあります。平均すると、ショット2打+パット2打=合計パー4になります。

パー3のホールも、パー4、パー5のホールも、すべてパット数が2回になっている点がポイントです。

グリーンに乗せてから、パットを2回打つのが基準となります。もちろん、2打目をピンの近くに乗せて、1回のパット(ワンパット)でホールアウトすることもありますし(バーディー)、アプローチショットが寄って、ワンパットであがることもあります(パーセーブ)。

ボールが遠くに飛ぶドライバーを打つのが楽しいとは思いますが、パターが基準打数の半分をしめておりますので、パターの練習も忘れないであげてください 笑

パットの3要素。 まっすぐ打つ、距離感、グリーンを読む(傾斜と高低差)

パターの技術は3つの要素に分類されます。
・まっすぐ打つ
・距離感を合わせる
・グリーンを読む(傾斜・高低差)

まっすぐ打つためには、ご自宅でもパターマットを敷いて練習できますので、ぜひこつこつ取り組んでいただければと思います。

距離感は、コースに行かないとなかなか練習する機会がありませんので、ラウンドする際には、できるだけ練習グリーンでボールを転がして、ご自身の距離感を体で覚えていってください。

グリーンを読む。これが最大の課題です。

残念ながら、いまのところ人類は、グリーンを正確に読む技術をもっておりません。

勘と経験の世界になってしまいますので、仮説と検証、PDCAサイクルを回しながら、徐々にグリーンを読めるようになっていってください。

まっすぐ打つための3要素

パットの3要素は、
・まっすぐ打つ、
・距離感を合わせる、
・グリーンを読むことです。

狙った方向にまっすぐ打つためには、なるべく体が動く部分を少なくして、正確にパターを操作します。

パターは、シャフトが地面(ソール)と垂直にならず、斜めにしなければならないルールがあります。

まっすぐ打つための第1点は、パターのライ角通りに、シャフトと地面に角度をつけてかまえます(市販品のパターは、ライ角が70度になっていることが多いです)。

2点目は、シャフトと腕を、肘まで一直線にグリップします。腕が動いたときに、パターが余計な動きをしないように、腕とパターを一体にしてグリップします。

3点目は、ボールの真上に目線を合わせます。具体的には、左目の真下にボールがくるように構えます。

アイアン等を打つときは、ボールと目の位置がずれておりますが(飛球線後方から見たとき)、パターは、ボールに覆いかぶさるように、左目をボールの真上にセットします。

パターの転がりは、左右の角度が1度レベルの精度が要求されます。目線がずれると、ボールの打ち出し方向がずれやすくなりますので、目とボールの位置を合わせることが大切です。

パターの打ち方、グリップ

パターのボールの位置は、左目の真下になります。ボールが転がるラインと両目のラインを一致させると、左右の打ち出し角の精度があがります。

ボールを真ん中(鼻の前)に置かずに、左目の真下に置く理由は、ボールをアッパー軌道で打ちたいからです。

グリーンは天然芝で、ボールが微妙に沈んでいるため、水平に打つと芝の抵抗が大きくなってしまいます。打ち出してから5センチから10センチ程度、空中をボールが飛球するように打ちます(上から見ても飛んでるようには見えない高さですが)。

鼻の真下が、パターの振り子運動の最下点になり、パターヘッドがわずかに上昇軌道になったところでインパクトすることで、転がりの良いボールを打つことができます。

パターのストロークで動かす箇所は肩だけです。左右の腹筋(腹斜筋)を使って、背骨を左右に回します。鎖骨を上下に上げ下げするようなイメージです。

手首や足は1ミリも動かしません。手首を動かさないために、おまじない的な意味が大きいと思うのですが、アイアンを打つときなどと違うグリップにすることが多いです(右手(利き手)をすべてグリップにつけて、感覚を研ぎ澄ます意味もあるとは思います)。

アイアン等と同じようなグリップにすると、いつもと同じようなイメージで全身を使って打ってしまいかねないです。左手の人差し指を、右手の小指に乗せる、逆(リバース)オーバーラッピンググリップがパターの基本グリップとなります。

まっすぐ転がす3要素

パターの3要素は、①まっすぐ転がす、②距離感、③グリーンを読むことに分類されます。

まっすぐ転がすためには、
・ライ角どおりにかまえて、
・シャフトから肘までを一直線にして、
・左目の真下にボールがくるように構えます。

まっすぐ転がすために一番影響が大きいのは、
・(当たり前ですけど)インパクト時のフェースの向きで、

・クラブ軌道と(アウトサイドイン、インサイドアウト、インサイドインなのか)、
・フェースのどこに当たったのか(打点)も影響します。

3メートルの距離のパットは、左右にそれぞれ1度ずつの誤差しか許されません。プロでも3メートルのパットは40%の確率でしか入らず、それぐらいパターは難しい技術です。

バスケットボールの3点シュートが、3次元の約7メートルの距離で50%の確率で入るにも関わらず、パターはそれよりも入りません。

日々のつみかさねとなりますので、毎日10球でも、フェースがまっすぐにインパクトできるように練習してください!

ネバーアップネバーイン、カップに届かなければ入らない

3メートルのパットが入る確率は、プロ 40%、アマチュア 20%ぐらいです。

100切りレベルのアマチュアの方でも、6メートルの距離からのパットを、平均2回でカップインすることができます。

シングルさんレベルになると、9メートルのパットを2回(ツーパット)であがることができます。

ワンピン(約2メートル)を超える距離のパットは、無理に1回で狙わずに、1回目のパットは、カップから直径1メートルぐらいの輪の中を狙っていただき、そこから2回目のパットでカップインを目指していただければと思います。

初心者さんのパットは、カップまで届かないミスが多いです。上級者さんの3倍ぐらいの確率でショートします。

オーバーするのも怖いですが、届かないと確実に入りませんので、もう少々強気でせめてください。

まっすぐ転がす練習はご自宅でもできますが、距離感をやしなう練習は、コースに行かないとなかなか難しいです。

コースの練習グリーンでは、カップインさせる練習も大切ですけれども、数メートルおきに目印をおいて、距離を打ち分ける練習を重点的に実施していただければと思います!

パターのテンポ = 85 が標準

パターのストロークを安定させるためには、ご自身にあったテンポを見つけると良いと思います。標準的なテンポは、メトロノームで1分間に85ビートです。

テンポというのは、アレグロ、アンダンテ等、全体の速さを表します。パターをテークバックして打つまでの総時間が速いのか遅いのか。リズムは、テンポをどのように分割するのかを表します。例えば三拍子のワルツ等です。

ゴルフではリズムのことを、テークバックとダウンスイングの割合をいいます。普通のアイアンショットなどでは、テークバック3 対 ダウンスイング1 ぐらいになります。

パターのストロークを、
・まっすぐ引いて、まっすぐ打つのか?
・アイアンショットなどと同じようにインサイドインに振るのか、議論が分かれます。

結論としては、パターは、ライ角を作らないといけないルールがあり、シャフトが斜めになっている分、多少はインサイドインに丸く振らざるをえません。

極端に考えると、ライ角が地面に水平のパターを想像すると、地面に沿って真横に振らざるを得なくなり、その場合ヘッド軌道はインサイドインになります。逆に、ライ角が90度のパターは(ルールで禁止されていますが)、まっすぐ引いて、まっすぐ打つことになります。

ライ角が90度以外のパターは、少なからずインサイドインに丸く振ります。

ただ、パターの振り幅は小さいので、振っている本人の主観としては、まっすぐ振るイメージで良くて、客観的にみると微妙にインサイドインに動いているといったところであります。

仮想カップ、フォールラインとは?

グリーンでカップを狙う際に、ボールとカップとの高低差が、転がる距離にどれぐらい影響をあたえるのか? 平均的な速度のグリーンで(スティンプメーター8.5フィート)、高低差が1センチあると、転がる距離が10センチが変わります。もちろん、マスターズの超高速グリーンでしたら、平均の2倍ぐらい転がります。

カップを狙うときは、仮想のカップを設定します。

例えば、高低差が2センチあるとしたら(ボールよりもカップが2センチ高い)、上り坂をボールが転がるので距離が20センチほど短くなります。そのため、本物のカップをいったん忘れて、20センチ先(遠くの)カップを仮想的に設定し、仮想カップを狙います。2センチ低ければ、逆に、20センチ手前に仮想カップをイメージします。

高低差の2センチが厳密に分かるのかというと、残念ながら正確には分かりません。。徐々に経験をつんで精度を上げていきます。

パターの最大の難所は、左右の曲がり幅をどのように決めるかです。結論としては、人類は、左右の曲がり幅を厳密に認識測定することができておりません。。

いまのところ、シミュレーションでグリーンの読み方を発表している方がおり、書籍などにもなっておりますので、ご参考になさってください。

まずは、最低限の基本事項として、フォールラインについてはイメージできるようにしてください。仮に、グリーンに水をまいたとして、カップから水が流れていくラインのことをいいます(フォールライン)。

フォールラインを基準にして、他のプレーヤーのパットのラインを参考にしながら、
・フォールラインの右側から打つとボールがフックし、
・フォールラインの左側だとスライスする、等
徐々に曲がり幅をイメージできるようになっていってください!

・パットエイミング教本のホームページ
http://putt-aiming.sports.coocan.jp/

・転がりの科学
http://putting-golf.international-cooking.info/index.html

どちらに曲がるのか分からなかったらまっすぐ打つ

ボールとカップの高低差がどれぐらいあるのか? まずは、グリーンにのぼるときに、ボールとカップを結ぶラインの真横からみてください。

左右のどちらに曲がるのかが分からない場合は、カップに向かってまっすぐ狙ってください。ボールは低い方に曲がっていきますので、次のパットをのぼりで打つことができます(のぼりのパットの方が、くだりよりもやさしいです)。

グリーンのカップには、お酒の一升瓶がちょうどすっぽり入ります。

一升瓶にボールをぶつけるつもりでパットをすると、イメージがでやすい方もいると思います。ぜひお試しください!