バンカーショットの基本
「バンカーショットなんて簡単」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、
・世界のトッププロでも、バンカーから砂イチ(グリーンに乗せて1カップ)にできる確率は50%ー60%ぐらい、
・仮にバンカーが簡単だとしたら、長いゴルフの歴史の中で、とっくの昔になくなっていると思います。
特にアマチュアの皆さんにとっては、技術的に特殊で難しい点に加えて、練習環境が限られる点からも難易度が上昇します。
バンカーショットは、エクスプロージョンショットという技術をもちいます。
砂をエクスプロージョン(爆発)させてボールを飛ばしますが、バンカーに慣れていないと、爆発という言葉のイメージから、力いっぱいクラブを砂にたたきつけてしまいがちです。
芝生の上から打つよりは力がいりますが、たたきつける程の力はいりません。
フェースを開いて、オープンスタンスにする
バンカーショットは、打ちたい方向(グリーン方向)に壁(アゴ)があったりして、クラブのロフト通りに打つと、ボールが壁を越えない場合があります。
そのような時は、クラブのフェースを開いて、ロフト角をつける必要があり、フェースが上を向くと壁をこえやすくなります。
フェースを開く方法は2種類あります。
①グリップするときに、シャフトを右に回して、フェースを開いた状態で構える方法。
②シャフトを右に倒して、グリップの位置が変わったところに体を移動して構える方法。
フェースが開いている分、オープンスタンスにして(体が左を向くように足を置いて)、ボールがまっすぐ飛ぶように調整します。
詳しくはぜひ動画をご参照ください。
どれぐらい手前をダフれば良いのか?
バンカーショットは、クラブとボールが直接当たらず、1万円札ぐらいの範囲の砂を爆発させてボールを外にだします。クラブが、ボールの手前から砂に着地して下をもぐっていきますので、ボールの位置は、普段よりも左側にセットします。
砂を打つ分、エネルギーが砂に吸収されてしまいますので、芝生の上から打つアプローチショットの3倍ぐらいの力加減になります。バンカーから10ヤード飛ばしたければ、芝生の上なら30ヤード飛ばすくらいの力加減が目安です(砂質によってかわります)。
ボールの手前をどれくらいダフるのかは、それほどシビアではありません。そのあたりが、一般に「バンカーショットは簡単」といわれるゆえんです。
ボールのすぐ手前をダフると、かなり飛距離がでますが、バックスピンがかかり、グリーンに着地してすぐにボールがとまります。
ボールのかなり後ろだと、初速がなく飛距離がでませんが、バックスピンがかからず、グリーンに着地してから長く転がります。
いずれにせよ、キャリーとランを合わせた距離が同じぐらいになります。もちろん、グリーンの傾斜等の条件にもよりますが。。
バンカーは、ふわふわの砂質のところもあれば、カチカチだったり、雨が降ると砂がしまったり、自然が相手となりますので一筋縄ではいきませんが、それを克服していくのがゴルフの楽しみの1つだと思います!
バンカーショットの練習方法?
バンカーショットは、練習する場所が限られるので、慣れずに苦手になってしまう方が多いです。バンカーがなくても、普通の練習場の打席でも練習するためのドリルがございますので、ご参考になさってください。
・ボールをティーアップして、わざと下を空振りする「だるま落としドリル」
・ボールの手前にガムテープを貼って、わざとダフらせてガムテープごと打撃をする「ガムテープドリル」
お庭や、ちょっとした空き地があれば、地面に線を引いて、狙った場所にきっちりクラブを落とせるかどうか練習していただくのも良いと思います。
バンカー ワンポイントレッスン
バンカーショットは、慣れていないと難しいので、応急処置的な対処方法として、以下の内容をご参考になさってください。
バンカーショットはボールの手前をダフる必要がありますので、左足下がりの状況をつくるとダフりやすくなります。体が不安定にならないようにすることを目的として(必要以上に足場を作るのはルール違反です)、左足だけ深く砂にもぐらせてください。ダフリやすい体勢になると思います。
バンカーの壁(アゴ)が低ければ、パターで強引にボールの横をたたいて脱出できるかどうか確認してください。
バンカーショットはバンスを使って、砂とボールを運ぶように打ちますが、慣れないと難しいです。難しいようでしたら、クラブをおもいきり砂にたたきつけることで、強引に砂を爆発させてボールを脱出させてください。クラブの先端(トゥ)から砂の中にもぐっていくようなイメージです。
どうしても脱出できない場合は、2打罰で、バンカーの外から打つことがルールで認められております。中嶋常幸さんという超トッププロでさえ、全英オープンで、バンカーの脱出に4打もついやしたことがあります。アンプレヤブル宣言という救済措置がございますので(2打罰で外から打てる、1打罰で元の場所から打ち直し等)、ルールを有効活用して楽しくラウンドしてください!
クラブを地面から浮かせて構える
バンカーショットを打つ際に、芝の上から普通に打つのと同じように打てば良いのではないかと疑問に思われるかもしれません。もちろん、普通に打っても問題ありませんが、その普通に打つのが難しく、特殊な打ち方(エクスプロージョンショット)をせざるを得ないのがバンカーでございます。
バンカーの前面は、たいてい高い壁になっており、普通に打ってトップすると、ボールが壁につきささってしまいます。
また、表面の砂はまったいらではありませんので、クラブがわずかでもボールの手前の砂にあたってしまうと、力がうまくボールに伝わらず、バンカーから脱出することができません。
バンカーショットが難しいのは、かまえるときに、クラブを地面に接地することができない点もあげられます。
クラブヘッドを空中にうかせて構えなくてはならないので、本来ダフらせて打ちたいのに、トップがでやすい状況になります。
ダフりやすいように、左足を深く埋めて左サイドを低く構えたり、あらかじめ肘を曲げて構えて、インパクトのときに遠心力で腕が伸びるようにする打ち方もあります。
バンカーショットは、砂の表面がきれいな状態でも難しいのに、足跡(あしあと)の中にボールが入ったりすると、クラブがボールの下まで届かなくなり、ものすごい高難度のショットになってしまいます。
バンカーから出るときは砂をならして、後から来た人が、気持ちよくイコールコンディション(公平な条件)でプレーできるようにするのがマナーでございます。
ヒールから地面に着地すると簡単
バンカーショットはバンスを使って、砂ごとエクスプロージョンショットでボールを運びます。わざとダフらせて打つ際に、バンスから着地すると、ヘッドが地面の深くにもぐりにくくなり、作用反作用の法則によりボールが上にあがります。
エクスプロージョン(爆発)ときくと、右手の手のひらで、地面をぶったたくようなイメージをもってしまいがちですが、小指で空手チョップをするようにクラブを動かします。
いわゆる、右回り(下回り)といわれるスイングだと、小指の方からインパクトしやすくなります(バンスが使いやすくなります)。逆に、上回りスイングだと右手の手のひらが地面に向かっていってしまいます(フェースが地面に向かってしまいます)。
バンスは、ヒール側を使うのがポイントです(ヘッドの手前側です)。ヒールを使うためには、右手が左手の上を回らないように、右手を左手の下にしたまま、グリップエンドを左足につきさすようなイメージでクラブを振ります。
フォローは、右手が左手を下から追い越して、フェース面が顔を向くような形でフィニッシュをとります。