シャフトを立てるとは?

シャフトを立てることについて、動画でご説明をさせていただいております(再生リストのリンク)。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLDnNzUzOkLPKbLZk1wQiwzHSQsS2zCGjY

「シャフトを立てる」という用語をよく耳にします(クラブを立てる、ヘッドを立てるともいいます)。

結論からいうと、「シャフトを立てる」というのは、「ダウンスイングで左腕を外旋させること」を言います。

ダウンスイングで腕をローテーションすると(左腕を外旋すると)、ヘッドが上向きに動きます。その時にシャフトが起き上がることを、シャフトが立つと呼んでおります。

ベン・ホーガンが言うところの、『腕の良いゴルファーは皆、左手首を外転させてボールをとらえている。これは鉄則だ』という言葉に通じております。モダンゴルフ ハンディ版 (P.112)

シャフトを立てる話をしているにもかかわらず、まれに「ゴルフには、シャフトを立てる概念などない」とおっしゃる方がいます。1番の有名人は、中井学プロでしょうか。『ダウンスイングは、シャフトを立てる必要はなくて、ローテーションするだけ』とのことです。

いやいや、ローテーションすれば自動的にシャフトが立つんですけど・・・

中井学氏のコメント:
『クラブは立てて下ろすというのは間違った思い込みです。これは簡単に証明できます。クラブを体の前で構えてください。そうしたら、実際のスウィングのように、体を左右に回してください。その際、アームローテーションを行うことも意識してください。水平に素振りをする感じです。「クラブを立てる」必要性を感じますか?「クラブを立てる」必要なんてないんです』
http://golfdigesttv.jp/bokumagu/110714_uesugi/

クラブを立てる必要性があろうがなかろうが、アームローテーションをしたらシャフトは立ちますので、以下、「シャフトは立てる必要がある」という前提で、話を進めさせていただきます。

■テークバックでシャフトを立てる

「シャフトを立てる」ことについて、どのタイミングで、どのように「シャフトを立てる」のか?、話が錯綜しておりますので、順に整理します。

テークバックとフォローに関して、シャフトを立てる話をされる方がいらっしゃいます。「コック、リコックをする」という話でおしまいです。

確かに、テークバックで、左手でシャフトを押すようにしてコックを入れると、テコの原理でシャフトが立ってクラブが上昇します。この「シャフトを立てる」という表現は、レッスンの現場などでイメージしやすいのかもしれません。

■フォローでシャフトを立てる

フォローで「シャフトを立てる」という話は、森田理香子プロのフォローのようなイメージかと思います。あえて言うと、「クラブを跳ね上げるようにリコックする」ことだと思います。特段シャフトを立てることを意識しなくても良いのではないでしょうか?

腕(手)の動きのみに焦点をあてると、クラブをインアウトの振るイメージでしょうか(もちろん、体が回っているので全体のクラブの動きとしてはインインになります)。

腕の力が抜けたフォロースルーをとれば、自然にシャフトがってくると思います。

インパクト後に左肘が曲がってしまう方がいらっしゃいますが、本来は「左肘が伸びてリコックするのが正しいスイング」と先生が生徒に説明するために、シャフトを立てると表現しているのだと思います。

ただ残念ながら、左肘は、伸ばそうと思って伸びるものではなくて、根本原因から直さないと修正できません。

アウトサイドインで、かつ、腕の動きが体の動きよりも先行しすぎてしまうと、腕の行き場がなくなり、左肘が曲がります。まずはそこから(アウトサイドインと手打ち)の改善が必要となります。

シャフトを立てる対象が、しぼられてきました

テークバック、フォロー、コック、リコック、クラブの跳ね上げ等に関わる「シャフトを立てる」議論については、上記の内容で完了でございます。

また、「縦振り」のことを、「シャフトを立てる」話とごっちゃにしている方が、まれにいらっしゃいますが、論点が異なりますので検討の対象からはずします。おそらくですが、あおるような超インサイドアウトのスイング(横振り)の方に対するアドバイスとして、「シャフトを寝かすのはダメ。もっとシャフトを起こして(縦に)振りましょう」と言いたいのだと思います。

insideout_1224
シャフトが立っていない例

シャフトを立てるというのは、ダウンスイングで腕をローテーションすることを言います(左腕を外旋することを言います)。ヘッドはグリップエンドに対して相対的に上昇しますが、腕全体は下りてくるため、ヘッド軌道は下降軌道を描きます。

ゴルフの初心者さんは、誰もが最初はアウトサイドインのスライサーになり、それをきらって、ヘッドを背中側に落とした超インサイドアウトのフッカーになりがちです。

シャフトが寝るというのは、ダウンスイングで、左手の甲が上を向いている状態です。シャフトが寝るのを修正するために、「左腕をローテーションして、左手の甲を横向きする(親指を立てる方向に回す)」のが、「シャフトを立てる」意味となります。

■アウトサイドインの人がシャフトを立てて良いのか?

シャフトを立てる効果が大きいのは、ヘッド軌道が超インサイドアウトの方です。昔は、超インサイドからあおるように打っていた人がとても多かったです。まあ、ハイスピードカメラがなかったのでしょうがありません。。

逆に、初心者さんは、ヘッド軌道がアウトサイドインで、かつ、フェースが開いたスライサーが多いです。

アウトサイドインの方は、残念ながらシャフトを立てられません。

インパクト直前でクラブがアウトサイドにはずれていると、シャフトを寝かせてインパクトせざるを得なくなります。

アウトサイドインを直さずに、シャフトを立ててしまうと、ただただボールが左に飛びまくるだけで、まったくゴルフになりません。

ベン・ホーガン著『モダン・ゴルフ―ハンディ版』より引用

■「シャフトを立てる」のまとめ

・シャフトを立てるタイミングはいつか? というと、ダウンスイングで行います。特に、デリバリーポジション(P6)からインパクトにかけてシャフトを立てます。

・逆に、切り返し(P4)からP6までは、シャフトが寝ていなければなりません。飛球線後方から見て、ヘッドの軌道が、グリップの軌道よりも下(インサイド)を通る必要があります。寝ているシャフトを引っ張ることで、パッシブトルクが働き、シャフトが立ちます

・テークバックやフォローで、コックしてリコックすることを「シャフトを立てる」と表現する方がまれにいらっしゃいます。

・シャフトを立てることを、「縦振り」と思っている方もいらっしゃいますが、少々論点が異なります。

シャフトを立てるのは、インサイドアウトのヘッド軌道の方に有効な技術であり、(P6 デリバリーポジションで)寝ているシャフトを起こします。

・アウトサイドインの方は、まずはインサイドインのヘッド軌道をマスターしてください。なお、アウトサイドインでシャフトを立てると、ボールが左に飛んでいきます。

・テークバックでローテーションをしておかないと(左腕を内旋しておかないと)、ダウンスイングでシャフトを立てられなくなります。ただ、トップ(切り返し)から、手元が腰の高さぐらいまで下りるまで、左腕を内旋し続けます。

・切り返しから、クラブを後ろ倒し(シャローアウト)しながらシャフトを寝かせて、デリバリーポジションからインパクトにかけてシャフトを立てます(左腕を外旋します)。

最後に、ベン・ホーガンの言葉をもう1度引用します。『腕の良いゴルファーは皆、左手首を外転させてボールをとらえている。これは鉄則だ』