アプローチのクラブ選択③
最近のプロの試合では、5番アイアンなどを使ったランニングアプローチをする選手を、あまり見なくなりました。
昔のアイアンセットは、ジャンボ尾崎の「J’sシリーズ」など、2番アイアンからサンドウェッジまで、10本ぐらいのセットでした。その後、2番アイアンがセットから抜けて、3番、4番も抜けて、さらに、サンドウェッジも抜けていきました。
現在のアイアンセットは、5番からピッチングウェッジまでの6本セットが主流です。
サンドウェッジがアイアンセットから抜けた理由は、タイガーウッズが、アイアンセットとは違う種類(メーカー)のクラブを使うようになったからでしょうか。
(他の理由もあると思いますけど、タイガーの印象が強くて、アマチュアもタイガーの真似をして、専用のウェッジを使うようになりました)
クラブ設計家の、ロジャー・クリーブランド氏や、ボブ・ボーケイ氏らの名前を全面に出したウェッジが爆発的に売れるようになり、「タイガーが神懸かり的なアプローチを打てるのは、専用の単品ウェッジを使っているからではではないか?」と、アマチュアは妄想するようになり(そんな訳ありませんがw)、メーカーもマーケティングに力をいれました。
設計家のクリーブランドさんは、クリーブランド社からキャロウェイ社に引きぬかれて、今はキャロウェイ社のクラブを設計しております。クリーブランドさんが抜けたクリーブランド社は、ブランド名は残っておりますが、ダンロップスポーツ(SRI、住友ゴム)に買収されて、現在はダンロップの子会社になっております。
サンドウェッジが単品で使われるようになって、ウェッジを区別する時には、ロフト角で呼ばれるようになっております。52度、58度等です。
(分かりにくいので、52度ぐらいだとアプローチウェッジ、60度ぐらいだとロブウェッジなどと呼ばれます)
名匠と呼ばれるボーケイさんらが、匠の技でバンスの削りこみをしているとの触れ込みのもと、例えば、56度のウェッジで、フェースを開いたり閉じたりしてアプローチショットを打つのがかっこいいという風潮になりました(タイガーのようなアプローチができるかもしれないとアマチュアは考えました)。
最近の傾向としては、1本か2本ぐらいのウェッジを使いながら、打ち方やボールの置き方を変えることによって、アプローチの種類を変えるプロが多くなっております。
(例えば、ランニングアプローチを打つ場合は、フェースを閉じて、ボールを右足の方に置いて打つようなイメージです)
ウェッジの変遷を踏まえながら、アプローチのクラブ選択につきましては、明日まとめさせていただきます。