M-Tracer ハンドアップ、カット軌道、投げ縄状態

M-Tracer について、動画でご説明をさせていただいております(再生リストのリンク)。
https://youtube.com/playlist?list=PLDnNzUzOkLPIVixaj67e2HrI8RTRKa1yL

■ハンドアップ

アドレス時とインパクト時のライ角を、エプソン M-Tracer で測定することができます。7番アイアンのライ角はおよそ60度ぐらいですが、遠心力と引力で地面方向にシャフトが曲がるため(トゥダウン)、55度前後でインパクトするのが適正です。

女子プロ
男子プロ

一般に、縦振りや横振りとかいいますが、スイングプレーンに背の高さはあまり関係なく、クラブ固有のライ角に依存した形で、インパクト時のライ角が決まります(ドローヒッター、フェードヒッターで多少変わります)。

アマチュアは、インパクト時のライ角が60度ぐらいになってしまうかたが多いです。それだとクラブが前(爪先方向)につんのめったような形でインパクトしていることになりますので、ボールがフェースの先(トゥ)にあたってしまい、力のない打球(こすり球)になってしまいます。

アイアンは、フィッティングで物理的にライ角を変えるとができますけれど、手元が浮いてしまうスイングが癖になってしまうと、フェアウェイウッドとかが打ちにくくなってしまいます。ダウンスインでは手元をさげて、適正なライ角でインパクトできるように練習していきましょう〜 (^^)

アマチュア

■バナナゾーン

スイングを正面から見た時に、テークバックとダウンスイングでは、クラブの軌跡が異なります。M-Tracerで確認すると、テークバックは大きな円、ダウンスイングは小さな円になります(通称 バナナゾーン)。

アマチュアの場合、テークバックとダウンスイングで、同じような軌跡になってしまうかたが多いです。しかもまれに、「同じ軌跡なのが正しい」と勘違いをされてるかたもいらっしゃいます (^^)

テークバックは大きく、ダウンスイングはタメをキープしながら内側を通るようにスイングしてください。

あと、切り返しの直後に、ヘッドがひょいっと上方向にあがってしまうのもアマチュアの皆さんに多いエラーですので、ダウンスイングの前半は手の力をぬいてください。

■投げ縄状態

上級者と初級者の大きな違いに、ダウンスイング初期で、腕の力を抜けるかどうかという点があります。野球のボールを投げる場合で考えると、誰でも自然に、投げる直前まで腕の力が抜けていると思います。ゴルフも同じで、切り返し直後は腕の力をぬく必要があります。

M-Tracerでプロのスイングを真上から見ると、ダウンスイングのヘッド軌道は、丸く投げ縄のようになっております(↑の画像 赤線 真円のような形ち)。一方、アマチュアの場合、切り返し直後から手で打ちにいき、ヘッドが爪先方向に動いてしまいます(↓ 濃紺の内側を通る楕円軌道)。

トップから手で打ちにいくと、アウトサイドインのカット軌道になりやすいです。飛ばしたい気持ちをおさえるのは難しいとは思いますが、クラブの軌道をよくするために(インサイドインでスイングできるように)、腕の力を抜いて打つ練習をしてみてください。

■ヘッド軌道(スイングプレーン)

スイングプレーンやオンプレーンスイングとかよく聞きますけど、プレーンの定義や、何が何に対してオンしているのかが、いまいち整理されていないゴルフ業界でございます。当スクールのプレーンの定義は、ダウンスイングにおけるクラブの重心(≒クラブヘッド)が、おおよそライ角と同じ角度で、直線的に(平面的に)推移することを、オンプレーンスイングと呼んでおります。

エムトレーサーでプロのヘッド軌道(ダウンスイング)を見ると、皆さんおおよそ60度の角度で推移しております(7番アイアン)。

横峯さくらちゃん
イ・ボミ

アマチュアのかたのヘッド軌道は、ライ角よりも高い角度で、外から(アウトサイドイン)でおりてくる場合が多いです。テークバックよりもダウンスイングのほうが、爪先側にヘッド出てしまうのもアマチュアのかたの特徴です。

切り返しで手に力がはいってしまうと、外からクラブがおりやすくなりますので、腕の力を抜いて、オンプレーンスイングをマスターしてください 。プレーンの基準は明確なので(7番アイアンなら約60度)、あとは動画でスイングをみながら練習あるのみでございます!

アマチュア

■ダウンスイングはクラブヘッドが後ろ倒し?

オンプレーンスイングの定義は、ダウンスイングで、おおよそライ角通りにクラブヘッドが直線的におりてくることをいいます(7番アイアンなら約60度)。エムトレーサーのプロのデモをみると、ヘッドが直線的なダウンスイングになっており、なおかつ、ダウンスイングの軌道が、テークバックよりも後ろ側(かかと側)を通っております。

イ・ボミ

アマチュアのかたは、打ち気にはやってしまうのか、ダウンスイングのヘッド軌道がテークバックよりも前(爪先側)になりがちです。

アマチュア

切り返しで腕の力をぬいて、ヘッドが後ろ(かかと側)からおりてくるように練習してください。ベンホーガンの50年以上前の本にも、「ダウンスイングはテークバックよりもプレーンが後ろに倒れる」と書いてあります。21世紀のいまどきのクラブになろうとも、基本中の基本の動きは、何十年たっても変わらないんですよね。

ベンホーガン「モダンゴルフ」

■インパクト時のヘッド軌道とフェース角

エプソン M-Tracerは、インパクト前後のクラブの動きを詳細に把握することができます。一般男性のヘッドスピードでフェアウェイをキープするためには、ヘッド軌道とフェース角が、おおよそプラスマイナス5度以内におさまっている必要があります。

理想をいえば、ドローヒッターならば、ヘッド軌道(インサイドアウト)がプラス5度以内で、フェース角がプラス2〜3度いったところでしょうか(↑ヘンリック・ステンソン選手)。

フェードヒッターならば、アウトサイドインがマイナス5度以内で、フェース角がマイナス2〜3度となります(↓木戸愛プロ)

ヘッド軌道のおよそ半分のフェース角でインパクトすると、ドローもフェードもそれぞれつかまったショットとなります。

ゴルフを始めて間もないかたは、超アウトサイドイン、かつ、超フェースオープンのインパクトになってしまうかたが多いので、ヘッド軌道とフェースの向きを確認しながら練習をしてください。

■ダウンブロー(アタック角)

エプソン M-Tracerは、インパクト前後のクラブの動きを真横から確認することができます。いわゆる、ダウンブローやアッパーブローが分かります。ダウンブローというと、上級者向けの技術と思われますが、初心者さんでも、できているかたが多いです。おそらく、アウトサイドインのカット軌道で、ヘッドが上から降りてきてしまうからだと推測しております。。

アイアンはダウンブローで問題ありませんが、ドライバーも上から下に向けてたたきつけるようなカット軌道で、ダウンブローになってしまうかたが多いです(↓の画像)。

最近のトッププロは、ドライバーもほんの少しダウンブローで打つようになってきているので、一概にダウンブローが悪いとはいえませんが、意識してダウンブローで打っているのと、無意識なのはちょっと違うと思いますので、ご注意ください。