シャロースイング(シャローイング)とは? ②
いわゆる女の子投げになっている人が多い
道具を使ってボールを打つスポーツにテニスがあります。テニスで速いサーブを打つためには、ラケットの助走距離を長くとる必要があり、上手い人はヘッドを背中の方に落としてから打ちます。
大人になってからテニスを始めた人は、なかなかヘッドを背中の方に落とせません。ヘッドをボールから遠ざける動きというのは直感に反するので、予想以上に難しいです。
ゴルフも、切り替えしからダウンスイングにかけて、テニスと同様に、クラブヘッドを背中の方から回して打ちたいのですが、大人からゴルフを始めた人にとってはかなりハードルが高いです。いわゆる女の子投げのように、タメのない体の動きをしてしまいがちです。
無意識に「ゴルフなんて、止まってるボールを打つのだから簡単なスポーツ。だから、ボールがまっすぐ飛ばないのは恥ずかしい」と思ってしまいがちですが、もちろんそんなことはありません。
数ヶ月は、まともにボールに当たらないのも普通ですので、小手先でボールをまっすぐ飛ばすことばかりにとらわれすぎずに(まっすぐ飛ばすことももちろん大切ですが)、体全身を大きく使う練習も合わせておこなってください!
アウトインのカット軌道は、ヘッドスピードが上がるが・・
切り返しでシャローイング(後ろ倒し)をして、背中の方から螺旋階段状にクラブを回しておろしてくると、一般的にクラブの助走距離が長くなり、ヘッドスピードが上昇します(飛距離アップします)。
しかし、モノを背中の方に回す動きとか、あまりなじみがありませんので、慣れていないと、思ったほどヘッドスピードが上がりません。むしろ、前倒しで、クラブを上から下にたたきつけるように振った方がヘッドスピードが上がる場合があります。
もちろん、前倒し(スティープ)のアウトサイドインで振ると、クラブが上から下に動いてしまうため、残念ながら、バックスピン量が増加して、ヘッドスピードの割には飛距離がでません。
後ろ倒しのシャロースイングは、最初は違和感との戦いになると思いますが、徐々になじんでいっていただければと思います。
オンプレーンとは、何が何に対してオンしているのか?
シャロースイングというのは、クラブが、切り返しで後ろ倒しにされて、重心(≒ クラブヘッド)が、背中の方からおりてくるスイングです。
ダウンスイングの前半で、ヘッド軌道は、グリップ軌道よりも下(インサイド)からおりてくるのも、ほぼ例外のないプロ上級者に共通する動きです。
オンプレーンスイングとよく聞きますが、正式な用語としてゴルフ協会などが定義しているわけではなくて、色々な人が色々なことを好き勝手にいっております 笑
ベンホーガンのガラスの板に始まり、レッドベターのシャフトプレーン。最近は、エルボープレーンに対して、クラブヘッドが接している(オンしている)スイングのことを、オンプレーンスイングということが多くなってきました。
シャローにするためには、テークバックから準備する
ダウンスイング前半のヘッド軌道は、グリップ軌道よりもインサイド(下)からおろして、デリバリーポジションで、ヘッドとグリップの位置が重なります(飛球線後方から見ると)。
色々な人が色々な方法で、切り返しにおけるシャローアウト、クラブヘッドを背中の方に回す方法を説明しております。例えば、左手の周りを右手を回す。手をつま先の方に出すと逆にヘッドが下がる。クラブのバックフェースに風を当てる。体を左に回すと遠心力でクラブが背中の方に放り出される 等々
クラブを背中の方にシャローアウトさせるためには、テークバックから準備して、慣性の法則を利用します。
最近のプロ上級者の方のテークバックを飛球線後方から見ると、グリップよりも、ヘッドを爪先の方から上げる人が多いです(もちろん、鈴木愛選手のように、グリップよりもヘッドの方が、カカト側から上がる選手もいらっしゃいます)。
ヘッドが爪先の方から上昇すると、体の周りをクラブが円を描くので、切り返しから背中の方にシャローアウトしやすくなります。
縦振り・横振りという用語を、最近あまり聞かなくなりました
ゴルフスイングには、縦振りと横振りという用語があります。例によって、明確な定義はないのですが、地面に垂直に近いような角度でクラブを振るのが縦振り。野球のバッティングのようなスイングを横ぶりといいます。
10年ぐらい前までは、縦振りの方が有利といわれていました。ラフなどで、クラブを上から縦に入れられると芝の抵抗を減らせたりするからだと思われます(縦に振ると、目標方向にクラブが直線的に動くイメージがでるので、方向性もよくなる印象があります)。
最近は、シャローイングが流行っているからか、あまり タテ タテ 聞かなくなってきました。
地面の上のボールを打つクラブにはライ角がありますので、背が高かろうが低かろうが、クラブ(ライ角)に合わせたスイングをする必要があります。
一概に、高い上背から「クラブを縦におろして打ち込めば良い」というものではありません。