下回りスイングへの道のり、背景、歴史1

下回りスイングとは、何が何に対して下を回っているのか?

下回りスイングとは何か?

  • (狭い意味)インパクトゾーンで、右手が左手の下を回るスイング。
  • (広い意味)切り返しからダウンスイングにかけて、右手が左手の下を回るスイング(いわゆる今風のシャロースイング)。

最初に「下回りスイング(狩猟型)」という命名をしたのは、イメージシャフト(練習器具)の開発者さんです。
http://imageshaft.com/

10年ぐらい前のゴルフ界の風潮は、
・ダウンスイングでは、クラブを縦におろせ!
・シャフトを立てろ、シャフトが寝ているのは問題だ!
いわゆる後ろ倒しのシャロースイングは、「五木ひろし」などといわれ、当時はデスムーブ、間違ったスイングと言われておりました(今は180度かわって、正しい動きとされています)。

シャローやスティープという用語は、今と違って(今でも継続して使いますが)、昔はインパクトゾーンにおけるヘッド軌道の話でした。

当時は、シャローイング、シャローアウトなどいう言葉はなく、切り返しで「間」が大切と言われていました(チャーシューメンのリズム、ダウンスイングは自然落下など)。

「シャローなインパクトでバックスピン量を減らしましょう」という文脈のなかで、シャローという単語が使われておりました。

ゴルフスイングには関東流と関西流がある・・??

大阪で有名なレッスンプロのグロス先生。
http://blog.glosgolf.com/

前倒し理論が全盛の頃から、後ろ倒し(シャロースイング)を推奨されているすごい方です。

ゴルフ理論は、関東と関西で流行りの違いが微妙にあったりします。最近はYouTubeの影響か、地域性が薄くなってきましたが、関西の方は、シャフトクロスをとても嫌がったり、前倒しを推奨される方が多い印象です。

グロス先生の理論は、今も昔も、切り返しからデリバリーボジションまで、「ヘッド軌道は、グリップ軌道の下を通る」と主張されております。

ヘッドがグリップの下を通るということは、いわゆるシャフトを後ろ倒し(寝かせて)いるのですが、グロス先生は、逆に「シャフトを立てる」とおっしゃっているのが不思議です。おそらくダウンスイングの後半で、「ヘッドがグリップの下にたれたまま、すくい打ちになる」のを戒(いまし)めてらっしゃるのだとは思います。

いずれにせよ、トップ(P4)からデリバリーポジション(P6)まで、「ヘッドはグリップの下を通る」ことは、世界の上級者のスイングの共通点でございます。

野球もゴルフも、時代は、上回りから下回りへ

一昔前までのゴルフレッスンは、インパクトの前後で、右手を左手の上から回してボールをつかまえるアームローテーション、いわゆる上回りスイングが行われておりました。

日本の野球の指導も上回りスイングで、「上から下にバットをたたきつけるように振りましょう、大根切りのイメージです」といった感じでした。

ボールを投げるときや、テニスのフォアハンドやサーブも、「右腕を内旋させるのだから、ゴルフスイングも同じように右腕を内旋させる」と、誰もがそう信じて疑っていなかったような気がします。

ただ、野球の内野手がダブルプレーをとるときなどで、シャローイングをしたりします。そして、最近の野球はフライボール革命などといわれますが、下回りスイングがなされております。

昔の野球のバッティングは、大根切りで打つように言われておりましたが、動画で確認すると、長嶋選手も王選手も、大根切りをしていなくて驚きでございます。王選手といえば、日本刀で短冊を袈裟斬りに(大根切り)にする練習の印象が強いのですが、いったいあれは何だったのでしょうか? 笑

狩猟型なのか農耕型なのか

上回りスイングが全盛の頃に、イメージシャフトさんが「欧米のプロは、日本のプロと比べて動きが違うのではないか」と提言されました。右手が左手の上を回る「上回りスイング」の反対の意味の用語として、「下回りスイング」と名付けられました。

イメージシャフトさんは、手の回し方はもとより、体の使い方(狩猟型と農耕型の違い)について言及しているのだと思います。狩猟型のスイングは迫力があり、農耕型は体の動きがとまって見えます。

  • 上回りスイング = 農耕型 = 日本式 = ヘッドが先(グリップが後)= 胸とクラブが垂直 
  • 下回りスイング = 狩猟型 = 欧米型 = グリップが先(ヘッドが後)= 胸とクラブが平行 

狭義の下回りスイングは、以下の3要素になります。

  1. 右手が左手の下から回る
  2. グリップが前、ヘッドが後ろでインパクト
  3. 井桁崩しが用いられます

究極の下回りスイングはベンホーガン

イメージシャフトさんが、最終的なゴールと考えているスイングは、ベンホーガンのスイングです(究極の下回りスイング)。

数年前までの日本のゴルフ界では、モダンゴルフ(ベンホーガン著)の挿絵から、左手をぐるぐるアームローテーションするものだと誰もが勘違いしておりました。

しかし、ベンホーガンは、手首をぐるぐる返すようなスイングを好んでおらず、「左手の親指と人差し指の間ではさんだワインを、こぼさないようにスイングするのが理想」とおっしゃっております。

下回りスイングは、フルショット、アイアンショット、アプローチ、バンカーまで、同じようなイメージでスイングできるのが大きなメリットとなります。逆に、ドライバーショットを上回りで打った方も、アプローチは下回りのイメージで打つ方が多いので(ライン出し)、ドライバーと2打目以降とで、スイングイメージが変わるのは、デメリットになってしまいます。