ブックスイングドリル 【ゴルフの基本】
肩(胸椎)の回転
スイングするときには、背骨を左右にねじる必要があります。
背骨の中でも、胸のあたりの部分(胸椎 きょうつい)を左右にねじります。
本を両手にはさんで、背骨が左右に回っている感覚を、まずは体で覚えてください。
体を左右に回すなんて、見ていると簡単そうですが、いきなりボールを打ち始めると、背骨などの細かい部分に意識がいかなくなり、手だけでボールを打つ癖がついてしまいがちです(いわゆる手打ちです)。
地味な練習ですが、基本の基本のブックスイングドリル、ぜひお試しください!
椅子に座って肩を回す
ゴルフスイングは、背骨を左右に回す必要があります。日常生活で後ろを振り返ったりするときに、無意識に背骨を回していると思いますが、改めて、背骨の上の部分(胸椎 きょうつい)を回すといわれても、はじめはピンとこないと思います。
背骨の回転を意識的にできていない状態でボールを打ち、しかも、まっすぐ飛ばすことに専念してしまうと、肩から先の腕を左右に振る、いわゆる手打ちの癖がついてしまいがちです。
ご自宅でも気軽にできるドリルですので、まずは椅子に座って、背骨(胸椎)を左右に回してみてください。
詳細は動画をご参照ください。
肩と腰の動き
背骨(胸椎 きょうつい)が左右に回る角度は、それぞれ45度ぐらいです(柔軟性は個人差ががあります)。
背骨を右に回すと、外観としては肩が右に45度回っているように見えます。
肩を右45度回し、腰も右に45度回します。
肩は腰の上に乗っておりますので、腰を右に45度回すと、肩だけを右に回した45度に加えて、肩は右に合計90度回ります(ややこしくて申し訳ございません。動画をご覧になった方が話がはやいです)。
肩と腰に45度の角度差がついている状態を「捻転差(ねんてんさ)」といいます。その捻転差をキープしたまま、今度はボールを打ちに、体を左に回していきます。
初心者さんがボールを打つ練習ばかりすると、クラブは手で持っておりますので、手と肩がすぐに左に向いてしまいます。
せっかく肩と腰に45度の捻転差を作ったにもかかわらず、そのねじりを開放してしまっては、ねじった意味がなくなってしまいます。
肩は右を向いたままぐらいのつもりで、まずは、下半身(腰)から左に回って、捻転差をキープするように体を左に回してください!
アームローテーションとは
ゴルフスイングは、体の動きと、腕(手)の動きに分かれます。
腕や手首の関節は3次元的に可動します。
・手首を親指側におる(撓屈 とうくつ)、小指側におる(尺屈 しゃくつ)
・肘から先を外側にねじる(回外)、内側にねじる(回内)
・手首を手のひら側に曲げる(掌屈 しょうくつ)、甲側に曲げる(背屈 はいくつ)
腕を左右にねじることを、ゴルフ用語では、アームローテーションといいます。
野球やテニスの経験がある方にとってはなんてことはないのですが、球技にあまりなじみのない方にとっては、腕を左右にねじる動きというのは意外と難しいので、ぜひドリルで習得してください。
アームローテーションの動きを無意識にできるようになる前に、ボールをまっすぐ飛ばすことに意識が集中してしまうと、羽子板をするような手首ですくう動きが癖としてついてしまいがちです。
超地味な練習ではございますが、ご自宅でもできますので、ぜひブックスイングドリルに取り組んでみてください!
ローテーションと肩と腰の同調
ゴルフスイングの難しいところは、ものすごいスピードで、一瞬の間に全身を動かさなければならないことです。まあ、どんなスポーツもそうだと思いますが・・ 笑
ご自宅でできるブックスイングドリルですが、今回は、腕の回転(アームローテーション)と体の回転を同調させる話です。
腕を左右にねじる動きにあわせて、
・まずは、肩(背骨 胸椎)のみを左右に回して、
・次に、肩と腰(骨盤)を左右に回します。
注意点としては、肩と腰の捻転差(ねんてんさ)をキープしながら体を左右に回します。
腕の回転と体の回転を同調させながら、インパクトのときに、正確に腕の角度を元の角度に戻してください。元のまっすぐの角度に戻さないと、ボールがまっすぐ飛びません。
ブックスイングドリルが正確にできない状況でボールを打っても、残念ながら、正しい動きができません。
ボールを打たなくても、いつでもどこでも練習できますので、ぜひブックスイングドリルに取り組んで、腕と体が、無意識に正しく動くようになってください!
肘の曲げ伸ばし
ブックスイングドリル。両手で本をはさんで左右に動かすだけなのですが、だんだん動きが複雑になっていきます。
肩と腰を回して、なおかつ、肩と腰の捻転差をキープしつつ、腕をねじります(アームローテーション)。
・右にテークバックをするときは、左腕を肩の高さまで上げて、右肘を曲げます。
・左にフォローをとるときは、右腕を肩の高さまで上げて、左肘を曲げます。
腕と体を回しながら、インパクトの瞬間には、本をまっすぐの角度にする必要があります。まっすぐにしないとボールがまっすぐ飛びません。
見てると簡単そうですが、ブックスイングドリルをゆっくり確実にできない状況でボールを打ったとしても、正しく腕と体が動きませんので、退屈なドリルではありますが、ぜひ完璧にマスターしてください!
腕と肩で作る三角形はおへその前
ブックスイングドリル。動画をご覧いただきながら、ぜひ実際にやってみてください。
ポイントは、腕と肩で作る三角形が、原則としておヘソの前にあるという点です。
手や腕を、体のまわりをまとわりつくように動かすのではなくて、手がおヘソの前にある形をキープします。
打ちにいこうという意識が強すぎて、せっかく肩と腰の捻転差を作ったにもかかわらず、すぐに捻転差がとけてしまう方がいらっしゃいますので、お気をつけください。
最初のうちは、肩は、常に腰の右45度の捻転差をキープしている状態を意識しながら、ドリルを実施してください!
上回りと下回りスイングのアームローテーションの違い
ゴルフスイングの難所の1つに、腕を左右にねじって(回外、回内)、インパクトの瞬間にフェースをまっすぐにする工程があります。
ハイスピードカメラや各種計測器の進化等もあり、インパクトの直前直後の体や腕の動きが、昔よりも分かるようになってきました(まだ未解明な部分も多々あると思いますが)。
腕をいったん右にねじり、次に左にねじる途中にインパクトがあるわけですが、まっすぐボールを飛ばすためには、ものすごい精度が要求されますので、タイガーウッズや松山英樹さんレベルのトッププロでも、子供のころから毎日毎日朝から晩まで練習していながら、それでもミスショットを打ってしまうのがゴルフです。。
最近は、腕をあまりねじらずにスイングする選手が増えてきました。
ただ、ねじり角がゼロの人はおりませんので、腕をねじりながらクラブを振って、正確にまっすぐにボールに当てる感覚を養う必要があります。まずは本を左右にねじって、腕の回転角度とフェース面がどこを向いているのかを体で覚えてください!
(まとめ)前傾してブックスイングドリル
ゴルフスイングを要素分解すると、体の動きと腕の動きに分類されます。
体の動きは3つ。肩の回転、腰の回転、肩と腰の捻転差です。
腕の動きは、
・手首を、親指側と小指側に曲げる
・腕を左右にねじる
・手首を、手のひら側と甲側に曲げる
・両肘を曲げ伸ばしする動きがあります。
両手で本をはさみながら、まずは体を回す動きを確認します。
次に、体の回転と同調して、腕をねじります(アームローテーション)。
最初は、普段どおりにまっすぐ立ってブックスイングドリルを行い、慣れてきたら、ゴルフスイングをするように前傾してドリルに取り組んでください!
ゴルフはボールがとまっておりますので、カタを覚えて、無意識レベルで体を動かせられるようになれば、そのままクラブに持ちかえてボールを打つことができます。
いつでもどこでもできますので、ぜひブックスイングドリルを完璧にマスターしてください!