M-Tracer フェース角の推移(ローテーション)

M-Tracer について、動画でご説明をさせていただいております(再生リストのリンク)。
https://youtube.com/playlist?list=PLDnNzUzOkLPIVixaj67e2HrI8RTRKa1yL

横峯さくらちゃん

エムトレーサーを使うと、スイング中のフェースローテーションの推移(角度)が測定ができます。いまどきのゴルフクラブはヘッドが大きいので(慣性モーメントが大きいので)、トップでフェースローテーションが大きくなってしまうと(右に開きすぎると)、インパクトでスクエア(0度)に戻しにくくなります。

もちろん個人差があるので、しっかりローテーションができる人は、あまり神経質になる必要はありません。

イ・ボミ

プロのフェース角の推移を見ると、トップにおけるフェース角が20度ぐらいとか、確かにあまりローテーションをしていないことがわかります。

アマチュア

アベレージプレーヤーの典型的なフェース角の推移は、上の画像のようなグラフになります。トップのフェースの開きが大きく、ダウンスイングに入っているのにフェース角が開く方向に推移して(画像の黄色い部分)、インパクト直前で急激にフェースを閉じようとするものの、間に合わずにフェースが開いたまま打撃してしまうパターンです。

プロとアマの違いに、トップにおけるフェース角の数字もありますが(プロはフェースをあまり開かない)、それよりも重要なのが、プロは、アドレスよりもインパクト時にフェースがクローズ(左)方向に回して打撃していることです。

プロは、グラフの縦軸(フェース角)がマイナスになっております。フェースが、アドレス時よりも左を向いてインパクトしていることを意味します。フェースが左を向いたらボールが左に飛びそうですが、そうならないのはハンドファーストになっているからです。

アドレス(フェース角0度)
インパクト(フェース角 マイナス(フェースクローズ))
ハンドファーストにすることでスクエアフェースになります

テークバックのグリップエンドとヘッド軌道

いまどきのヘッドが大きいクラブは、テークバックでフェースを開きすぎると、ダウンスイングで閉じるのが難しくなります(慣性モーメントが大きいからです)。一応の基準として、トップにおけるフェース角の開き具合は50度ぐらいが上限となります。

もちろん個人差があり、100度開いても、インパクトでスクエアに戻せる人は問題ありません。

横峯さくらちゃん トップのフェース角25.3度
イ・ボミ トップのフェース角21.7度

フェース角の開閉は、主に3つの動きで行なわれます。

1、肘から先の腕を回転
2、肩から腕全体を回転
3、手首を甲側に曲げるか、手のひら側に曲げるか

トッププロのスイングをエムトレーサーで見ると、テークバックにおいて、グリップエンドよりもヘッドが外側(爪先側)を上昇しているのが分かります(トップのフェース角の開きが小さいプロ)。

ヘッドがグリップエンドよりもアウト側をあがっていくと、左肩から腕全体が右に回転する動きをおさえることができます(肘から先が主に回転します)。その結果、トップのフェース角の開きが小さくなります。

アマチュアの多くは、テークバックで、グリップエンドよりもヘッドが内側(カカト側)にはいってしまいがちです。そうなると、肩から腕全体が右に回転してしまうため、フェースの開きが大きくなってしまいます。

アマチュアのテークバック。ヘッドがインサイドからあがっている。
アマチュア。トップのフェース角 93.7度

フェースが開いているのにフェースが閉じてる・・??

アベレージプレーヤーのフェースローテーションをエムトレーサーで見ると、
・トップのフェース角の開きが大きく、
・ダウンスイングにはいってもフェースが閉じられず、
・インパクトでフェースが開いたままになっているケースが多いです。

アマチュアのフェース角の推移(インパクトでフェースをスクエアに戻せていない)

ヘッドがインサイドからあがり、肩から腕全体が右に回ってしまうためにフェースが大きく開き、ダウンスイング以降もフェースが開いたままになりがちです。

上図と同じスイングのインパクトの瞬間(フェースが閉じている)

フェースをアドレス時と同じ角度(0度)に戻せていないにもかかわらず、実際には、フェースクローズで打撃している場合があります。

なぜフェースが右を向いたままなのに、フェースが左を向いてインパクトしているかというと、すくい打ちになっているからです。シャフトが右に傾いたハンドレートの状態になっております。ロブショットを打つようなシャフトとフェース角の関係です。

フェースをインパクトでスクエアに戻せないのにハンドファーストにしてしまうと、ボールが右に飛び出してしまいます。フェースオープンでボールが右に飛んでしまうのを小手先で解消しようと、手ですくって(シャフトを右に倒すかたちで)インパクトし、フェースを左に向けるような調整をしております(ほとんど無意識に)。

さらにアウトサイドインの軌道が加わると、今度はボールが左に飛び出すようになり、逆ローテーションして(フェースを右に回して)、フェースを開く方向に悪化させてしまいます。。ヘッド軌道がアウトサイドイン、フェースが逆ローテーションとか、曲芸のような状態でボールをまっすぐ飛ばすような動きを覚えてしまうと、なかなかあとから修正するのが困難となってしまいます。

ぜひエムトレーサーでフェース角の動きを確認しながら、正しいヘッド軌道、フェースローテーション、ハンドファーストの形ちを習得してください。

フェースをスクエアに戻しても、フェースオープンでスライス??

アドレスでフェース角を0度にセットして、インパクトでフェースを0度に戻したとしてもスライスしてしまう場合があります。

↑この画像だと、インパクトのフェース角が20度ぐらい開いており、スクエアに戻せていませんが、もう1つ上の画像(同じのインパクト時)のフェース角は 30.1度です。20度と30.1度の差(10.1度の差)はどこでうまれたかというと、、、

インパクトで手元が左(目標方向)に流れており、クラブの構造上、フェースが右を向いてしまいます。必要以上に手が左に動くと、フェースが開いてスライスしてしまうという点を頭に入れておいてください。

フェースを0度に戻せたとしても
手が左に行きすぎてしまうと、フェースが右をむいてスライスしてしまう
本来は左をむくぐらいフェースをローテーションして
ハンドファーストにしてスクエアフェースにします
大多数のアマチュアは、インパクトでフェースを0度に戻せず
クラブをすくって(ハンドレートで)フェースをスクエアにしています。そうなると、ロフトが寝て、チカラのないぽっこん球になります